学界のトンデモ 出口俊一【と学会誌初出】


★以下の記事には一部誤りがあるようです。「前衛」や「月刊人権問題」に寄稿されている出口俊一氏は、ここでネタにしているEM菌擁護者の出口俊一氏とは別人のようです。すみませんでした>「前衛」や「月刊人権問題」に寄稿されている出口俊一氏
(暗黒通信団Web担当追記:2014/10/30)



EM菌擁護界の旗頭である。1953年北海道生まれで根室高校卒。氏自身のプロフィールによれば、獨協大学経済学部卒で産経新聞を経て経済産業研究所へ、現在はDND社長。これを読んでる人はEM菌なんて聞き飽きているだろうが、要するに細菌で放射能が除去できるという、どう考えても次元の違う問題をくっつけた発想だ。発案者の比嘉照男氏によればEM細菌には「波動」があってそれは「重力波」であるとか( http://www.ecopure.info/rensai/teruohiga/yumeniikiru13.html
)、トンデモとしてはいまさら感がありすぎて論じるに値しない。
問題はこの出口俊一なる人物個人である。東京農工大学大学院客員教授とか金沢工業大学客員教授らしい。一応そういう肩書きがあるから学界のシリーズに入れてしまったが、実際のところ、それはただハクをつけるためだけの肩書きで、本人はジャーナリストを名乗っていたりする。
この人物、比嘉氏に心酔してEMシンパをしているだけの人物なら笑ってすませられるのだが、どうもそうではないのだ。この春「理科の探検」という雑誌にニセ科学を批判する特集が組まれた際、その中でEM菌を批判する記事を書いた北海道の著者に、埼玉からわざわざ面会を求めて行ったというし、それ以前にも片瀬久美子氏というかたの書いた記事に文句をつけ、面会して、おそらく脅そうとしたようだ。( http://d.hatena.ne.jp/warbler/20131101/1383307986 )。アグレッシブすぎる。blogに載るくらいだから他にも裏では色々やっていることだろう。要するにやってることはヤクザそのものである。記事に対して記事による反論ではなく、著者と面会して個別撃破しようとするスタンスは、そもそもジャーナリストですらない。(ちなみにこの記事の筆者は何を言われても絶対に面会には応じないだろう)
ところがだ。出口氏が主宰するデジタルニューディール研究所という会社は大学発ベンチャーの推進を旗印にしていて、その仲間と称する人たちには、東大元総長とか各大学の学長や理事が名を連ねている( http://dndi.jp/message/index.html )。大学発ベンチャーといえば聞こえはいいが、どうしてそういう会社の代表がEM菌で、しかもヤクザまがいの脅しメールをおくりつけたりするのだろうか。我らが陰謀説に立てば、政界を巻き込んだ巨大な陰謀が進行しているのだ。例えば、岩手から自民党で復活当選した高橋比奈子衆議院議員はその昔、EM菌の普及に尽力していた人であるが、その人が現在、厚生労働委員会にいる。EM菌界(?)は着実に権力に迫っているのだ。
…という陰謀論は専門家に任せるとして、この出口俊一という人物、学問的にはどうなのだろう?
「出口俊一 EM」でグーグルスカラーで検索すると1件もヒットしない。そうか、論文は英語で書くのだった。「Deguchi Shun-ichi EM」で検索するも、1ページめに関連研究一件もなし。表記揺れを考慮して「Shunichi」と「Syunichi」と「Syun-ichi」で検索したが一つも出てこなかった。ちなみに「出口俊一」だけで検索すると、日本共産党中央委員会の雑誌がヒットする(前衛
(786), 32-42, 2005-01 )。他にも「賃金と社会保障 (1235), 4-24, 1998-10-10」「月刊人権問題 (301), 27-32, 2002-01」…と、バイオ系どころか理系ですらないことが分かる。むしろ人権活動家という感じか。少なくともEM細菌など論じられる知識は到底持ち合わせているように見えない。どうしてこういう人が大学発ベンチャーなどに関われるのか自体が甚だ謎であるし、小宮山サンもなんでそういうのに名前貸すかな。
トンデモにも色々な種類がいるが、このタイプは何らかの組織と結託して実際に力を持ってしまうタイプの「有害な」トンデモである。と学会は観察団体であるから、決して干渉はしないが、こういうのが居るのだということは周知しておきたい。

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